わかんと選ぶポイントを説明する前に大事なことがひとつある。わかんとスノーシューは違う道具!だということ。どれくらい違うかというと、スキーとスノーボードよりも違う。
これを前提にしたわかんの選び方。
反り
反りがないのは平地、あるのは傾斜地向けである。反りがないと地面に滑らせることができるのでよりスノーシューに近い使い方になる。長距離雪の平地を歩くのであれば反りがないほうが楽。しかし反りがない場合、傾斜地ではわかんの先端が雪に引っかかり歩きにくい。自分の行動が平地主体なのか傾斜地なのかを考える。
裏返し
よくわかんを裏返して使う、裏ワザ?が出てくる。自分はよくわからないので推測だ。氷と雪がミックスしているとわかんの爪だけでは食い込みが不十分であるためにアイゼンをつける。このときアイゼンの爪とわかんの爪との干渉防ぐためにわかんを裏返して使うのではないかと考える。しかしこのような状況はかなり限定された場所と時期になるので必要なのだろうか。条件としては1)膝に潜るくらい雪が深いこと、2)下が氷になっているもしくは岩稜帯とのミックスであること。しかし雪が深ければわかんのつめが効くし、岩稜帯ならそもそも爪は前づめになるのでわかんは使わない。
軽いのがいい
わかんは傾斜がきついところで使うために、ザックにつけて運んでいる時間が長い。また着用時の重さを計算すると、アイゼン+冬靴装着時でアイゼン片足800g+靴1kg+わかんの重さ)となる。マジックマウンテンはわかんとしてはよさそうであるが、重い。長時間歩行することを考える。
つめ
爪は交換ができれば確かに便利ではなるが、減ったら削ることができる。ニコルソンの金やすりがあれば、バイルやアイゼンを研ぐのにも使える。
ひも
ひもはアイゼンとおなじで手袋で装着することになる。細すぎたりペラペラだと装着しにくい。このあたりは人により異なるので、お店でひもを手袋でさわってみるとよい。
はば
広いと浮力は出てくるが、同時に歩くときに両足のわかんが干渉しないように股関節を開いたり膝を開くことになる。力を抜いた歩き方ができていないと長時間歩行で疲れやすい。
塗装
塗装がないと雪がつきやすくなるので歩きながらバイルやもう片方のわかんでたたいて雪を落とす。面倒くさく聞こえるが慣れるとそれほど大した作業ではない。木のわかんは油を塗っている。
パイプの太さ
パイプが太いと浮力が大きくなる。そのかわり上に雪がつきやすく重くなる。理想は涙目の形をしたパイプがよい。
上記を考えるとまずおすすめはエキスパートオブジャパン。冬山でのわかんは7,8割だから、まわりに同じ道具を使っている人がいるのはそれだけで大きなアドバンテージになる。軽いので運搬も楽だし値段も手ごろ。
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2番目におすすめなのがマジックマウンテン。爪が交換できるので傷んでも本体を買い替える必要がない。すこし細目で大きいので、エキスパートオブジャパンより平地向け。
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