ではビバークの装備のあり方について考えてみます。
ビバークは単独でするという前提で考えます。
グループ登山だから誰かのツェルトが使える!?
ビバークをするということはそもそも計画外の何かが起きているわけで、その時にグループの人が隣にいるとは限りません。ビバークは一人でもできることを前提にして装備を作ります。
ということはビバークの装備で自分でそろえるものは、
- 必要なものはすべてある
- 余計なものはない
上記を前提にしてビバーク装備について考えます。
まず雨と風をしのぐための装備を考えます。
- カッパ
- ツェルト
- レスキューシート
- シュラフカバー
- 折り畳み傘
カッパは登山をするのであれば必ず持ち歩いています。カッパを着込めば夏山なら下がTシャツだけでも耐えることができます。その代りよいカッパを選びましょう。ある程度厚さがあり透湿性があるカッパがよいでしょう。
ツェルトは個人装備です。上からかぶるタイプのツェルトもありますが、寝転がれる大きさのツェルトにします。ビバーク場所を選んでやれば垂壁の壁ビバークでないかぎり寝転がるスペースはあります。
レスキューシートは重さと値段に対して保温力のコストパフォーマンスが高いので常に一枚は持ち歩きます。これは使い捨てと考えましょう。
シュラフカバーは中に入り込んで寝ることができます。ツェルト+レスキューシートだけだと慣れないと寝返りを打つたびに隙間から空気が入ってきます。
折り畳み傘はオプションです。しとしと雨でツェルトがしっかり張れないときは傘の下に入り顔を雨に濡らさないだけでも気分がかなり変わります。
保温をするための装備
- 薄いフリース
- ネックウォーマー(タオル)
薄いフリースが一枚あるだけで保温力はかなり違います。下着→シャツ→薄いフリース→カッパ→レスキューシート→シュラフカバー→ツェルトになれば雨が降らない限りはかなり快適に過ごせる。
ビバークをするとわかるが寒く感じるのは首元である。スースー風が吹き込みゴロゴロと寝返りを打ってツェルトを巻きつけた記憶はあるのだえはないだろうか。ここでフリースの薄いネックウォーマをしておくと風の吹き込みがなくなる。
また人の体で”首”がつくところを温めると、血液が効率よく温まるので末梢神経系も冷えを感じなくなる。
明かりの装備
- ヘッドランプ
- ろうそく
ヘッドランプは必須である。夜中に作業をするときにヘッドランプがないとどうにもならない。雨にぬれることを考えて防水が望ましい。また替えの電池を携帯する。
ヘッドランプの電池は貴重である。精神的に心細かったらろうそくをつけると案外心が休まる。ただしツェルトは狭いので衣類やツェルトを燃やさないように注意する。
食事
小さいガスとストーブを携帯する。お湯のいっぱいでも作れればエネルギーは体温も回復するし眠ることもできる。また朝もコーヒーを一杯飲むだけで体の動きがずいぶん変わってくる。