WBSを作成すると気分としては計画を立てるのは終わった気になるがここからがスタート地点である。
WBS作成は頭を使うのでいったん完成するとそれ以上作業をする気にはならない。しかしWBSはあくまで机上で練られた計画であり、抜け落ちは当然のことながら、矛盾、実現可能かどうか等いくらでも確認すべきことがある。
今回はWBSが作成した段階でやるべきことを挙げておく
- しっくりくるか
説明があいまいになってしまうが、一番最初に作成したWBSは自分で読んでみてもしっくりこないことが多い。原因としては3つある。1)コンポーネントについてレベルが一致していない、2)足りない、3)コンポーネントと動作が一緒になっている
まずコンポーネントについてレベルが一致していないのは、大構成ー中構成ー小構成と分割したときに各コンポーネント間で大きさがあっていない。たとえばある項目ではシステム全体であるがすぐ下にある項目は小さいどこでも買えるような部品といった場合である。この場合には8hour-40hourルールを使えばよい。つまりこの時間にあてはまるようにActivityを設定していく
次にコンポーネントが足りない場合があげられる。自分でMECEをしているつもりであっても歯抜けになっているので完全になっていない。そのために全体として完成していない。これはブレインストーミング、具体化<->抽象化を繰り返していく。
最後にコンポーネントと動作がいっしょくたになっているケースがあげられる。成果物思考でいくかプロセス思考でいくかはWBSを作成する”前”にかならず決める必要がある。
2. 具体的か
どこまで具体化する必要があるかは議論の余地がある。確かにWBSは方向を示すものであり、ここから分割していくことで次に続く行動を組み立てる。しかし初期に作成されたWBSがあまりにも抽象的すぎるとたとえばコンポーネント間で矛盾が起きていたりする。
コツとしてはWBSに記載するかは別についてそのコンポーネントを完成させるには何が必要かをイメージしてみる。これは過去の事例、best practice、似た製品の導入事例を利用すればよい。
3. シナリオ通り進むか
これが一番重要である。WBSはあくまでで設計図である。この設計時通りに完成するかというとまったくそんなことはなく、たとえば足りない部品が出てくる、部品を合わせてみたらうまく動かない、分析通りに進まないといったケースがままある。
うまく進まないということは、不確実な要素が潜んでいる。つまりリスクがある。リスクをあぶりだすためには各コンポーネントについて完成までの道筋を文章にしてみるとよい。その文章を作成したときに”うまくいかない場合はあるか”, “他の可能性はないか”といった観点からプロセスを追ってみる。if / if notでコンポーネントを構築するプロセスに潜んでいるリスクを明確にできる。