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ジャミンググローブを使わないほうがいい理由

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最近ジャミンググローブを城ヶ崎や湯川でも見るようになった。太刀岡で会った山岳会の方が全員ジャミンググローブをつけて登攀していたのは衝撃だった。

現在流通しているジャミンググローブにはオーチェンとシンキングロックの2種類があり両方ともチェコ製である。

オーチェン

日本でもよくみるrock pillersと同じ会社になる。1998年にPavel Hendrychにより設立された。靴はRock Pillersブランド、その他ハーネスやロープはオーチェンブランドで提供している。

シンキングロック

チェコ人2人とベルギー人営業で1992年に設立された。ハーネスとロープで有名になった。
Route44やRock&Lockといった特許も所有する。

チェコは歴史的に繊維工業と靴の生産が盛んだった。これらの優秀な職人がフランス、ドイツ、アメリカ以外での有名なクライミングギアメーカーの理由になっている。

ジャミンググローブをつけることがクライミングルールに反するとか倫理的にはよくないという議論がある。しかしジャミンググローブを道具として考えるとク ライミングにおけるクライミングシューズ、アイスクライミングにおけるアイゼンやバイルになる。自分のクライミング技術はこれらの道具によってグレードが 変わってくる。ジャミンググローブだけが例外という説明は難しい。

ジャミングローブは確かに便利である。はめた瞬間からハンドジャムサイズのクラックを登り始めることができる。素手やテーピングでは最初の一歩が出なくていやになってしまうのとは大違いだ。

しかし技術を向上を目指す場合はジャミンググローブをつけたクライミングを続けるべきではない、次のステップであるフィンガーやシンハンドにはつながらないからだ。

まずジャミンググローブの利点についてまとめる。

  • クラッククライミングを開始するときには通常の登攀装備であるハーネス、シューズ、ギア、ロープに加えて、テーピングを巻く。このテーピングを巻く作業はきっちりしないとよれてきてクライミングの邪魔になるので時間がかかる。ジャミンググローブは手袋と同じで装着してベルクロを閉じるだけなので早い
  • ゴムにより摩擦が増えるのでクラックを経験したい人、フェース・スラブを主に登っているが遊びでクラックも少し登りたいというクライマーにとっては手を痛めることなく、すぐに登りだすことができる。
  • ゴムにより手が守られているので手の皮がよれたり、むけたりしない。テーピングは巻き方がうまくないとはずれて手の皮を痛めることがある。

さて上記がジャミンググローブの利点である。しかしジャミング技術を高めるためにはジャミンググローブは邪魔になるだけ出し、さらにグレードの上げ方が難しくなってしまう。これについて説明をする。

ジャミンググローブはゴムでできている。このゴムが岩と接触して摩擦によりジャミングをしなくてもクラックから手が外れなくなる。このとき ゴムの厚さ分、手の幅が増えるので、クラックにフィットする場所が変わる。ジャミンググローブをしているときとしていない時で場所が変わるためにグローブなしでは登れなくなる。

ジャミンググローブは手の甲に重点を置いている、つまりハンドジャムサイズのクラックを登るときにもっとも効力を発する。しかしフィンガークラックには利用できない。また手の幅が厚くなるのでシンクラックには手が収まらない。

ジャミング技術の基本は摩擦と骨にひっかける2つの動作から成り立つ。ゴムに頼り摩擦だけ利用すると骨にひっかける感覚が身につかない。摩擦のみを利用したジャミングは腕に力を入れて膨らませることで岩との接触面積を増やすのでパンプしやすく登攀が長続きしない。

ジャミンググローブで利用できるのは基本となるハンドジャムサイズのみであることは説明した。このサイズでの練習はそのルートを登ることが目標であると同時に次のステップであるフィンガー、シン、オフウィズスに対するジャミングの基礎を学ぶ場でもある。道具を使って摩擦に頼ったクライミングスタイルでは次のことが学べない。

  • 骨にひっかける動作
  • 手の摩擦を効果的に大きくする手の使い方

ジャミンググローブは便利である反面、レベルに従った技術向上を目指すのが難しくなる。将来的にはフィンガー、シン、オフウィズスまで視野に入れるならあるタイミングでジャミングローブははずすべきである。

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